『QOL CLUB』第二回 カッコ悪い男。カッコ悪い身体。

この記事は2015年10月〜2016年8月までファンションブランドSONTAKUさんに掲載された私のコラムを2023年現在の心境と視点で編集加筆したものになります。

2023/3/30 yoshi

前回のコラムなんだか評判が良かったようで気分を良くしているyoshiです。こんにちは。

私のような仕事をしていると日々生活をしている中で、いろいろなネタというか題材というか、そういったものを拾うためのアンテナをバリバリに張って過ごしているのですが、面白いもので、ちょっとした事件というか出来事というのは続くときもあれば、全く無い時もあるんです。

結構不安定。

これはアイディアもそうで、出るときは湧き水のごとく出るのですが、出ない時は相当しばらく出ない。

このリズムって、一体どんな規則性や法則があるんだろう、なんてことをいつも不思議に思っているのですが、まあ、それは置いといて、ここ最近の状態っていったらもう完全に後者で。

話のネタにできるようなイ事件もなければ、取り立てて「これヒットじゃない?!」みたいなアイディアもない。

なんだかなー、って思いつつも日々を過ごしている中、ありましたよ。

久しぶりに、けっこう大きな(いや中くらいか)出来事が。

いやいやいや。

今日はその出来事とそこから感じたことを綴ってみたいとおもいます。

第二回
カッコ悪い男。カッコ悪い身体。

「おい!!コラッ!!!!!◯△%&#!

「おい!!コラッ!!!!!◯△%&#!!!お前次のところで◯△%!!!この野郎!!△%&#んぐぁぁぅっ!!」

いきなり私の横に来て並走している車から、男が半身を乗り出しスゴんできました。

〜〜

〜〜

先日の晴れた平日の昼下がり、第三京浜を気持ち良く愛車のV魔(バイク)で走っていると、ものすごい勢いで私に迫ってくる一台の小さな車が、バックミラーに“突然”現れました(それくらいのスピードで迫っていていました)。

私は

「あ、ヤベっ!(>_<) 覆面(パトカー)か・・・俺そんなにスピード出してなかったはずなんだけど・・・出てたのかな〜、、あぁ。。」

と、それまでの気持良いツーリング気分は一気に消沈し、ため息をつきながらスピードを緩めました。しかし、追いつき並走しているその覆面を見ると・・・

赤色灯も回っていない。

運転している人も私服で

且つ一人で乗っている。

で、どうみてもまったく警察官には見えないんですね。

だって見るからに70代前半くらいの細いおじいさんだし、制服も着ていなかったですから。おそらく年はうちの父と同じくらいでしょう。

ぱっと見は普通のおじいちゃん。

ただ一点を除いては。

それは・・・

・・・

・・・

もう烈火のごとく怒り叫んでいる。

頭からは煙。目は。こめかみには血管。鼻からは血(あくまでもイメージです)。

そして、口からは

「おい!!コラッ!!!!!◯△%&#!!!お前次のところで◯△%!!!この野郎!!△%&#んぐぁぁぅっ!!」

・・・。

・・・。

ホントのところはなんて言っているのか聞こえなかったけどたぶん、こんなことを言っていたんじゃないかなと(走っているし、メットもかぶっているんで)。

で、彼の腕は、あたりの空気を掻き込むような“こっち来い”というような動きをしている。

あ、ちなみにこの“「◯△%&#!」や「△%&#」は、決して文字化けではないのであなたのPCの心配はご無用です。ご安心ください。

で、私はこのおじいちゃんがなぜ怒っているのか全くわからない。

「うわ〜、できれば関わりたくないなー」

というのが正直なところでして、だからおじいちゃんの腕がどんなに“こっち来い”と空気を搔いていても、たとえ「◯△%&#!!」と言ってようとも、路側帯にバイク停めたり、特に私からなにかリアクションを取ったりすることはしませんでした。

私はおじいちゃんを先に行かせ、とにかく関わらないようにと、ちょっと長め車間距離をとって後ろを走っていました。

するとおじいちゃんはその先の◯◯インターの出口に向かって走って行きました。

まあつまりは

お前もここで降りろ!

と。

俺について来い!と。

でも。

面白いのは、

もしここで

“私が出口に行かなかったら?(笑)”

“彼の後についていかなかったとしたら?”

おじいちゃん、“降り損”ですよね(笑)

だって私はあのままおじいちゃんを無視してその◯◯インター出口に行かず、そのまま第三京浜の“本線”を走り続けていくことはできたわけですから。

なにもおじいちゃんが怒っているからって律儀に且つ素直に着いて行く必要や義務なんてなにもないわけですから。

あのまま私が本線を走っていたらおじいちゃんの怒りの矛先は何処へ言っていたんでしょうね。

しかも、もしそのインターがおじいちゃんの本来の出る予定ではない出口だったら(笑)

もしあれぐらい怒っているんなら(しかも高速道路なら)前に出るよりも、

後ろに付いている方が良かったのでは・・・(苦笑)

おじいちゃんの車がインター出口を登っていくのを見ながらそんなことを思い、ちょっと口角が上がってしまった私yoshiなのですが、とは言え、そんなことを考えていたら、また警察ではなかったことでひと安心したからか、私の感心や興味は今やこのおじいちゃんが

なぜ怒っているのか?

になっていました。

私はけっこう好奇心が強い方なので、どうしても知りたくなってしまったんですね。

このままトラブルを避けるためにまっすぐ行くべきか。それともインター出口へ向かって疑問を解決するべきか

本線か出口か。

そうまさにこれが分岐点。

※ちなみに私が降りる予定だった出口はもう一つ先です。

yoshi出口へ

好奇心の強い私は本線を行くことができませんでした。

私のなにがあそこまでおじいちゃんを怒らせてしまったのか?

それを知らずに今日の夜は眠れない、と思ったからです。今夜質の高い、そう

クオリティーオブ睡眠(QOS)の向上のためにも。

分岐を上がって行きながら、ヘアピンカーブの先におじいちゃんがゆっくり走っているんだろうな、って思っていたのですが(だっておじいちゃんは私がちゃんと着いてきているか確認したいでしょうから)、おじいちゃんの車はありません。

その先をもっと見ると、なんと、もうとっくに料金所を出ていて、その先の広いところで待っているではないですか!

ああ、おじいいちゃん・・・

もし、私が本線を行っていたら・・・

おじいちゃん VS yoshi

ETCを通過し、いざおじいちゃんのところに向かうyoshi。

あ、最初に言っておきますが、私は鼻っからおじいちゃんと喧嘩するつもりなど全くありませんでした。口でもですし、ましてや暴力なんて全く考えてもいなかったです。

だってうちの父と同い年くらいなんですよ。すごく被るし、父を連想するじゃないですか。またたとえ、暴力を振るわれたとしても対処できる自信はあったし。

ただ私は何回も言うようですけど、

なぜおじいちゃんがそこまで怒っているのか知りたかっただけ。

それだけなんです。

ついにおじいちゃんの車の横に私のV魔をつけました。そして私はメットのシールドを上げ、口を開きます。

「あの〜、私なにか・・・」

と全て言う前におじいちゃんは

「テメー!!グオラ!!!!!◯△%&#!!!俺の前を◯△%!!!この野郎!!△%&#んぐぁぁぅっ!!うぅぅうああ!!グオらっ!」

さらに続けます。

オメー!!グオラ!!!!!これ見えねーのか!△%&#んぐぁぁぅっ!!うぅぅうああ!!グオらっ!&#んぐぁぁナンバー若いもんオメー&#んぐぁぁすぞ、ゴラッ!!」

私は散り散りになっている言葉の破片を拾って、想像力を目一杯働かせ、なんとか以下の様なことを言っているんじゃないかな、というところまで漕ぎ着けることができました。

「テメー、コラっ。俺の前をこうやってこうやって運転して(って蛇行運転のジェスチャーをして)俺を挑発してんのか、こら。」

「おめーおれのこれが見えないのか?(といって胸にあるバッジを見せる)こらっ。おまえのバイクナンバー覚えておまえの家探してうちの若いもん送ることができるんだぞ、こら。」

たぶんこんな感じの内容を言いたかったんだとおもいます。

私は自分の疑問が溶けたことにとても喜びを感じていました。

「ああ、なるほど、そういうことだったのね。」

と、頭の中の膝をポンっと叩きました。

で。

実際どうだったのか?

私はおじいちゃんの言うようなことをしていたのか?

はい、恥ずかしながら私は実際にほんのちょっとだけ、あまりの天気の良さと、心地よすぎる走りが、楽しくて、嬉しくてつい

シュッシュッシュッと3蛇行

ほどしてしまっていたのです(もちろんですが、暴走行為のようなグ〜ン、グ〜ン、グ〜ンみたいな蛇行ではないですよ。極めて小さな蛇行をシュッシュッシュッとしただけです。もちろんそれも道路交通法ではダメなので皆さんは絶対にやらないでください)。

それを第三京浜に乗って2分ほど走ったところでしたのですが、その後ろにいたのがおじいちゃんだったようです。

で、そのシュッシュッシュッの後、私は

・追い越し車線に行き、

・ちょっと他車を追い越し、

・また中央に戻り、しばらくゆっくりと走り、走っているとまた気持良くなったので、

・再度左車線に行って小さくシュッシュッシュッとやったのでした。

そしたら・・・

その2回目のシュッシュッシュッの時もまた後ろにいたのはおじいちゃんだったらしいのです。

つまりおじいちゃんは私に“シュッシュッシュッ攻撃”を

狙い撃ちされている

と思ったようです・・・

私は2回目のシュッシュッシュッが終わった後、また1回目が終わった後と同じように

・追い越し車線に行き、

・また他車を少し追い抜いて、その後

・真ん中の車線を走っていました。

そのときに、おじいちゃんは追いかけてきたようです。

怒りとともに。

なるほど。

理由のわかった私は本当に申し訳ない、と思い、心から以下のようなことを言ったのでした。

「ああ、そうだったんですか、それはごめんなさいね。でもね、おじさん(おじいちゃんとは言いませんでした。たぶん。)僕ね、ホント、それわざとじゃないんですよ。ただ、今日のこの天気でしょ。ホント久しぶりにこれで走りに出て(バイクのタンクをポンポンと叩く)もう運転が気持ち良くて気持良くて。

だからついそんな走りしちゃったんだけど、でも、そんなおじさんを挑発するつもりなんて全然なくて、というか、おじさんが後ろにいたってことも全く知らなかったんですよ。だからなんでおじさんがそんなに怒っているのかぜんぜんわかんなくて。でも、そう受け取らせてしまったですね。だとしたらホントごめんなさい。」

と、クレーム処理のテクじゃなくて、本当に本心でそのように謝まりました。先程も言いました通り、もともと、まったく喧嘩するつもりはなかったし、また私が実際にやったことでこんなにもおじいちゃんを怒らせてしまったとのことでしたので。

でもおもしろいもので、あれだけ頭から煙が出ていたのに、私がしゃべり終わるころにはもうその煙は“うすい湯気”程度に変わっていてほとんど見えなくなっていたんですよ。

私がそのように喧嘩腰ではなくて、本当に申し訳ない、ってフレンドリーに話すとおじいちゃんも逆に

「いや〜俺はてっきり挑発されているとおもっちゃってよ〜、感情的になって悪かったな、オゥ」

と謝りました。

その後、おじいちゃんはそんなにも自分が感情的になってしまった理由を再度ゼロから説明し始め(もう父で慣れています。こんなところまで似るか(苦笑))ちゃんと最後まで聞くと、もう完全に機嫌が直ったのか、私のバイクがすごく気に入ったみたいで、

「いいの乗っているな〜。うん、いいよ!う〜ん(感心)」

となぜか機嫌が良くなっていて最後には

「気をつけてな!(ニコっ!キラリ!)」

と言って、おそらく本来降りるはずではなかったこの〇〇インターの出口から続く〇〇通りへさっそうと消えていくのでした。

っと終わってもいいのですが、これじゃただのネタみたいなんで、ここで私の思ったことをちょっとシェアさせていただきたいな、と思います。まあ、ここまでが序章みたいなもので、ここからが今日の本題なんですが

私は正直(私も悪かったですが)このおじいちゃんは本当に

“カッコ悪い”

って思いました。

いや、怒るのはいいんですよ。それだけ

若造にナメられた

って受けてしまったんでしょうから。

それにどうやら本人曰く本職らしいので(今考えるとかなり疑わしいところ満載なんですが)。

それが若造にナメられた、と。

だから、そのような感情の推移というか、表れというのは、まあ百歩譲ってわからなくもない。じゃあ、なにが私におじいちゃんをカッコ悪いと思わせたのか?

なぜ、私は、本当にこのおじいちゃんがメチャクチャカッコ悪いって思い、こういう年のとり方はしたくない、って思ったのか?

それは私を怖がらせるために、自分のバックを見せつけるような態度と発言をしたからです。

虎の威を借るなんとか。

力のあるものや後ろ盾があるものに頼って威張る小者。

もし、これがおじいちゃんの“個人力”で目一杯凄んで私を怖がらせようとしたならそれは構いません。睨もうが、大きな声を出そうが、万歩譲って殴りかかろうとしようが。

まだ個人対個人、正々堂々としていますよ。

でも、そのようなバックを出して素人相手に凄む、っていうのは完全な

“弱い者いじめ”

じゃないですか。これってメチャクチャカッコ悪くないですか?

強い立場の人が弱い立場の人に凄むって・・・

もし、同じ世界の人同士でそのようにバックで競い合う、っていうならどうぞやってください、って感じですが、たかだか高速道路でのいざこざでそれって。

コンビニスタッフやタクシーの運転手さんやウェイトレスに凄んでいる人いますよね。俺は“お客様”だぞ。神様だぞ!って(まあたまに本当に怒りたくなるような店員さんやスタッフはいますが)。

それも同じようなもんですよね。

もちろん、おじいちゃんにしてみたら、もう自分も年でいざ殴り合い、ってなったら若い奴には体力じゃ敵わないだろうから、っていう不安と恐怖によるセルフディフェンス的な考えから、あのようなことを言ったということもあるかもしれませんが、

でも、それにしたってそういう攻め方っていうのはまったくダンディズムがない。リスペクト(尊重)もできなければ、知性も感じない。

ましてや、バイクのナンバーから家を割り出して若いもんを送るって・・・

もうこれって完全に

いざこざを超えて“脅迫”

じゃないですか。

とは言え、あの怒りの状態じゃまず

バイクのナンバーの2桁すら覚えられないと思いますが(笑)

カッコ悪い男とカッコ悪い身体にならないために

感情だけで突っ走るロックな男も“ワイルド”で“振り切れていて”それもまたマッチョでかっこいいですが、でも、もうある程度歳を重ねたら、多少そこに“加減”や“引き”や“沈黙”や“統制(コントロール)”を入れた方がいいんじゃないでしょうか。

気取るわけじゃないですが、私はそのほうが“粋”だと思うし、それが“お洒落”や“生き方”に出てくるんじゃないかな、って思います。また凄みも出ると思います。

今回だってあのおじいちゃんは怒りに任せ、かなりロックに攻撃してきましたが、おじいちゃんの本来の目的である、私に恐怖を与える、ってことは遂には全くできませんでしたし。むしろ滑稽でコメディーチックだったので笑いの方が・・(笑)

もし、あれがもう少し統制(コントロール)された怒りで、うまく沈黙も使われていた

“サイレント・アンガー(静かなる怒り)”

だったら。

想像するだけで・・・

ゾっ(怖)。

そこにはきっと恐怖と同時に少しばかりの畏怖や尊厳、知性、そしてダンディズムを感じてしまっていたことでしょう。

なぜなら私の倍近くの人生を歩んできた一人の大先輩として話を聞いていたでしょうから。

怒り方にはその人の生き方(生き様、人生)が出るもんですね。

〜〜

〜〜

で、カッコ悪い、ってワードで思い出しましたが、私はよくこのようなお話をクライアントさんたちやメルマガ読者さんにします。

カッコ悪い身体

についてです。

ここで言うカッコ悪い身体、っていうのは、先天的な特性の身体を指しません。

肉体を作っていくという作業によって作られた二次的な身体のことを言います(ここではあくまでも“見た目”ということに絞ります)。

つまりボディーコーディネートがうまくいっていない身体のことですね。コーディネートとはつまり

“調整”

“調和”。

カッコ悪い身体とはつまり

“調整”

“調和”

が取れていない身体ということ。バランスが悪い身体ともいえますよね。具体的にはどんな身体か。これは私がよく引き合いに出すし、色んな所で言っているのですが、それは

ロボコンみたいな身体(笑)

(ロボコン若い世代の人はわからないか。ググってみてください)

体幹(胴体)だけが大きくて、プロポーションやアウトラインを作る肩や背中や脚が貧弱な身体のことです。

多くの人がトレーニングを始めると、とにかく目立つ大胸筋ばかりを鍛えます。あとは二頭筋(力こぶ)と腹筋かな。でも、体全体で考えると、肩や背中や脚、っていうのはすごく重要で、

特に肩っていうのはスーパー重要なんですよ。

なぜなら前から見た時に胸と同様目立つし、それに・・・

かっこいい体を作るために

ここからはよかったら以下の動画をご覧ください。肩の重要性語ってからエクササイズのやり方を説明していますのでけっこう興味深く面白く見ていただけると思いますよ。

とうことで、今回はかなりの“力技”で筋トレに持って行きましたが(苦笑)、

お互い、身体同様、人生も、生き方も、そしてもちろんファッションもしっかりとコーディネートしていきましょうね。

きっとあのおじいちゃんも色んな意味ですべてがうまく調和していればここに“ケンカはしたけど、とってもいいおじいちゃんでした!”的な扱いで登場していたことでしょう(笑)

それではまた次回。

感想待ってます。

customer@kintore-daihyakka.com

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