【大胸筋上部】インクラインベンチプレスは要らない?!

上半身の顔とも言える大胸筋、できればハンサムに作り込んで行きたいものです。ただ、大胸筋の上から下まで完璧!という大胸筋を僕達ナチュラルで作っていくのはとても困難なもの

日本のトップビルダーでさえ、なかなかドラッグユーザーのような鎖骨から盛り上がっている大胸筋を持っている人は多くありません。

だからといって、諦めたくはないし、というか、そもそも“できない”なんて決めつけて希望がなくなったらトレーニングなんてできませんよね。

だから・・・
僕たちナチュラルトレーニーはやはり賢くやっていかなかければならないのです。

そこで、今回はそんなとてもむずかしい大胸筋上部を刺激するために、どんなアプローチが正しいのか、いろいろな情報を鑑みて、それに対して僕の経験を踏まえてある程度の方向性を導き出していきたいと思います。

それでは行ってみましょう。

インクライン・ベンチプレスは要らない?

大胸筋上部といえばインクラインベンチプレスですが、現段階では、多くの研究がインクラインベンチの優位性を認めていません。

少しいくつかの論文をチェックしてみましょう。

2009年のこちらの半田氏らの研究では※1

  • フラットベンチプレス(FBP)
  • ディクラインベンチプレス(DBP)−30度
  • インクラインベンチプレス(IBP)60度

の3種目による大胸筋への刺激の違いが調べられました。

しかし、なんと大胸筋上部に関してはあきらかにインクラインの筋活動水準が低く出ました。

以下のような結果となりました。

その一方で、1995年のBarnettらの研究※2では、

フラットベンチプレス、インクラインベンチプレスの間には差が見られなかった、と報告しています。

さらに2016のこちらの論文を見てみると、

どの角度でも大胸筋上部の筋活動に違いは見られなかった、とあります。

ただし、ある一部分の局面においては大胸筋上部の筋活動はより高まった、
と報告されています。

少し図にまとめてみましょうか。

こんな感じとなり、こうやって見ると大胸筋上部に特別インクラインベンチプレスをやる必要はなさそうなんですね。

実際にどの研究もフラットなベンチプレスをやることを支持している形で締めくくられています。

さて。

これだけ見ているとベンチプレスさえしてれば良いように感じますが、本当にそうでしょうか?

ここからは僕の経験を踏まえての話しとなります。

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フラットなベンチプレスだけやっていれば理想的な鎖骨部から盛り上がるような大胸筋を作れるのでしょうか?

僕はそうはさすがにそうはおもいません。

まあ、健康維持のためにトレーニングしている人ならフラットのベンチプレスだけで問題ないとは思いますが、ボディーメイクして、筋肉でプロポーションを変えようとしている人や、

コンテストに出場するような人が、ベンチプレスだけで大胸筋上部までびっしりと筋肉をつけいようというのは、どんなに研究結果がそうであっても僕のこれまでの経験を踏まえむずかしいと思います。

なぜなら・・・

論文を読んでの気になった点

まず最初にご紹介した半田氏らのテストでは

・インクラインの角度がかなりきつい60度となっています。

さすがにここまできつい角度だと肩の前部へ刺激が分散されてしまうでしょう。胸筋上部のためにここまで角度を付けるのは一般的ではないですよね。

この角度までくると、たとえ熟練されたトレーニーだとしても、肩を使いがちになってしまい、大胸筋上部への刺激は明らかにディクラインやフラットに比べ落ちます。ここはひとつの問題点かな、と思います。

それともう一つ

・すべてがスミスマシンでの測定であることです。

他の研究ではフリーウェイトなのに対しこの研究ではなぜかスミスマシンです。

マシンのほうがテクニックに左右されないイメージがありますが、それもなんとも言い難い側面があるので、ここも少し問題点かな、と思います。

で、次の95年のバーネットらの論文ですが、

・フラットもインクラインも有意な差は見られない、とされていますが、実際の筋電図では若干ではありますが、インクラインのほうが高いんです。

・さらにナローグリップで行うとワイドグリップよりも高い値を出しています。

ただここでのナローは肩峰間隔100%なのでちょっとナローすぎで、一般的ではないですね。

で、さらに2016の論文ですと、前述したとおり、ポジティブの局面の26〜50%の間ではインクラインのほうが大きな筋活動レベルを表しています。

まだまだあります。

全体を通して思うのは、バーベルを下ろしていく位置の言及がなかったことです。

これはとても重要な要素だと思います。どこの落としていくかでストレッチ感が変わるからです。

あと肘の張り具合(脇の角度)もです。

あとは手幅がそれぞれ違っていますし、傾斜の角度も同じではありません。

垣間見えるインクラインベンチの有意点

今挙げたものを鑑み、インクラインベンチのポジティブな面を見てみると、

  • 手幅がナローだとワイドよりも筋活動が高まった(1995)
  • ある可動域の部分だと筋活動が高まった(2016)

というところがあります。

僕は実はこれら2つのデータが示していることはとても大きいと思っていて、これがあるからこそインクラインベンチはある程度やる意味はあるんではないかな、と思っています。

とくに中上級者さんにおいては、です。

考察

以上のことをもってちょっといろいろ考察してまとめてみたいとおもいます。

まず問題点として

  • インクラインベンチの角度
  • 手幅
  • 下ろす位置
  • 脇の開き具合

を上げましたが、もしかしたらこれらを変えたとしても筋電図の“数値”には出ないかもしれません。ただ、僕たちトレーニーならこれらを少し変えるだけで“効き”が全く違う、というのは肉体レベルでわかっていますよね。

必ずしも筋電図に数値として出なかったから、インクラインベンチの効果はあまり期待できない、という結論はおそらく多くの中堅以上のトレーニーが反対すると思います。

そうでなかったらここまでこの種目が何十年と生き残ってくることはなかったからです。

実際、インクラインベンチプレスのポジティブな面として、ナローグリップの有効性や、コンセントリックの局面のある一部分では筋活動が高まっているわけですし。

ただ、、とは言え、これらの結果からわかることもあります。それは・・・

  • インクラインベンチは大胸筋上部を鍛える基本種目として“誰にとっても有効”とまでは言えない、ということと、
  • トレーニング界で言われてるほど、絶対的なポジションにはないのかもしれない、ということです。

とくにまだ初心者レベルを脱していないトレーニーにとっては、です。実際僕のパーソナルトレーニングでも、初心者レベルの人にこの種目を採用していません。

初心者さんには、本当にベンチプレスで十分と思っているからです。

ただ大胸筋にある程度の筋量のある中上級者には有効だとおもいます。胸筋上部を意識できるし、そこ刺激を与える技術も持っているからです。

まとめ

じゃあ、最後にまとめますと、

僕のおすすめとしては、このような結果を知り、それを踏まえた上で、僕たちトレーニーは筋電図には表れない微妙な違いを感じるよういつも質の高いトレーニングを心がけるようにする、ということです。

これが重要であり、またそれがスキルアップとなり進化していくことになっていくわけですから。

研究結果はとても重要だし、貴重だし、僕自身もとても興味はありますし、そしてなにより参考にしています、が、それだけを盲目的に信じるようなことはありません。

なぜなら、自分のやってきた経験や、自分の感覚を信じているからです。

それくらい日々考えトレーニングしているからです。

研究ではできない、細かなテストを25年以上日々繰り返してきているからです。

今は多くの情報で溢れかえっていますが、人それぞれみんな骨格や筋腹、筋量、経験、才能が違うわけです。

研究結果という最大公約数的なことをちゃんと参考にしつつ、どんどん自分の経験を積んでいって、そして自分を信じてトレーニングレベルを上げていってほしいな、と思っています。

自分を信じるためにはそれこそ日々の1レップ1レップがすごく大切ですよ。そこを意識してトレーニングしてみてください。

それでは今回はこのへんで。

ありがとうございました。

《出典》
※1
代表的な筋力トレーニング種目における主動筋の筋電図学的分析
Electromyographic Analysis of the Agonist Muscles During Commonly Prescribed Resistance Training Exercises

※2
Effects of Variations of the Bench Press Exercise on the EMG Activity of Five Shoulder Muscles

※3
The Effects of Bench Press Variations in Competitive Athletes on Muscle Activity and Performance

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