さて、今日は肉体作りのためのトレーニング、主に“筋肥大目的”において
「やっぱり休むことは重要だよね。」
って話を3人の例を挙げてお話ししたいと思います。
ハードトレーニングはしない“健康維持マイルドトレーニー”の方は対象外ですのでその辺はご理解の上、ご覧ください。
【1人目。クライアントのMさんのケース】
まずは1人目。クライアントのMさん。
去年の7月からずっと私のパーソナルを続けていただけていて身体もとんでもなく進化しています。
昨年の12月にはコンテストレベルの見事な絞りの身体を作りました。
そこから今度はバルクアップ。
そして今年の秋くらいにフィジークのコンテストに出場しようとしています。
そんな彼ですが、実は今年の5月に2回ほど体調を崩したのです。
それまでは1回も体調を崩すことなくきたのに、疲労が一気に津波のように押し寄せてきたのです。
これは私の監督ミスというのもあるのですが、
ただ今回ばかりは正直予測を立てることができていませんでした。
というのは、クライアントさんがずっと元気だったから。
私は毎回パーソナルトレの時には体調や、体調に限らず何か変わったことが起きてないかをヒアリングさせていただいているのですが、Mさんは毎回ほぼ「好調」って回答してくれてたのです。
これは口だけでなくて実際にその
・表情
・声のトーン
そして
・トレーニング記録
など見て総合的に判断してのことです。
特にトレーニング記録は“数値”で表れますから判断基準の重要性としては高いです。
それが問題のない範囲だったので“問題なし”と判断していました。
- 本人のモチベーションも高く
- 記録も伸びている
のに休む、って判断はなかなかできないですからね。
ただ唯一気になることはありました。それは左の肩の痛みです。
痛みはいろいろな意味の“サイン”であるので、それだけが唯一の心配でした。
ただそこまで酷い痛みではなかったのでそれは私のスタイルである
“やりながら直す”
で対応していくこととしていました。ですので肩は大きな問題はなかったのですが
ところが・・・
先ほども言った通り5月に2回ほど体調を崩したのです。
完全に蓄積されてた疲労によるものでしょう。
あとはお仕事が繁忙期に入りましたのでこれもかなり大きかったです。
本当に、パーソナルに来れないくらい忙しかったので。
ここまでそれこそ1年弱、
3日以上連続でトレを休むことがなかった
ので相当疲れが溜まっていたのかもしれません。
このように自分では認識できない、あるいはトレーナーすらも認識できない
隠れ疲労
というものがあるのでやっぱり計画的、あるいは直感的に休む、ってことの重要性がこの例からもわかるともいます。
ちなみにしっかりと休んで回復に努めた後の1週間後には以下のようにコメント(報告)をいただいています。
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5/28「今日は調子よいです。筋トレも軌道に乗りつつあるので、頑張って今日は最近の+1Setで4Setずつイケました。」
クライアントMさんとの日々の報告エクセルより一部抜粋
6/1「今日も調子よいです。トレしていて気持ちが良く、力がみなぎってきている感が出てきました。このまま元の調子よかった流れが出ればと思います。」
そして2週間も経った頃には
6/7「今日も調子上がってきて、筋トレが気持ちよいです。もう少しやりたいと身体が欲していた感じなので、従来の5セットまでボリュームアップしました。イケますね!」
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このように計画的あるいは直感的に休養をうまく入れないと“隠れ疲労”が一気に押し寄せる場合があります。
特に仕事の忙しさが重なるとそれは顕著に表れることでしょう。
ですので、うまく休養を入れることが本当に重要となってきます。
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※ちょっと私の名誉のために補足させてください。
私のところに来ていただくとトレーニングが楽しくてしょうがなくなります(そう言ってくれるクライアントさんがとても多いです)。
特にそれまで自分なりに頑張ってやって来てたのにもがいていた人ほど良い結果が出ると楽しく楽しく。
ただそうなると休めなくなります。
楽しいからやりたい、っていうのと、ここで休んじゃうともしかしたら筋肉の成長が止まっちゃうのでは?!っていうので。
でも、私が絶対に休みが必要!って判断したら休んでもらうようにしています。
そのような時はもう“トレーナー命令”として(笑)、
強制的に休んでもらいます。
そうでもししないとみんな休んでくれないんで(苦笑)
ただ今回のMさんの場合はほんとずっと調子良かったんで。
そんな感じで判断が鈍りました。
また勉強させていただきました。
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【2人目。元格闘家の拷問ハードトレーニーIさんのケース】
2人目。
とても大きな身体をしていて、実際に扱う重量は私なんかよりも全然重いものを扱うIさんのお話です。
彼は私が通っているジムに最近よく来られるようになった方です。
彼は・・・
凄まじいトレーニングをします。
高重量でショートインターバルトレーニング。
基本1分のインターバルでやっているそうです。
そんな彼とちょっと何がきっかけでお話しするようになったかは覚えていないのですがお話をするようになりました。
「もともとは総合格闘技をやっていた。」
「現在は真剣にボディメイクしていてボディメイクのトレーニング歴は現在3年目?くらい」
「フィジークに出場しているんだけど評価されない」※確かにフィジーク体型ではないです。筋量的にも骨格的にも。
「だから今はボディビルに転向するために脚を頑張っている」
と言うことでした。
あ、だからこんなに激しいトレーニングをされているんだ。
って納得しました。
しかしそんな彼をしばらく見なくなりました。
「あれ?どうしちゃったんだろう??」
って思っていました。
ただ私にはなんとなく
「こういう状況になっちゃったんじゃないかな・・・」
っていう思いはありました。
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2~3週間後、久しぶりに彼が来ました。
「お久しぶりです。」
って挨拶を終えたあと色々お話をしていると・・・
やっぱり私の思った通りでした。
この展開からだとあなたも予測できたかと思いますが、
要はハードなトレーニングをし過ぎて体調不良をおこしていた、とのことです。
「もう自律神経がおかしくなっちゃって、、、
疲れているのに夜になると寝れなかったり、
急に疲れが襲ってきて頭がボーッとしたり・・・
それでもう脚のトレーニングはずっと休んでたんです。だからこっちには脚トレだけしにきているので来てなかったんですよ。
上半身いつもやっているところで軽くはやっていたのですが・・・」
ってことでした。
私の思っていた通りでした。
あるいは腰か膝の怪我だと思っていました。
今回は疲労の方でしたね。
正直、彼には申し訳ないですが、
私は“絶対”にそうなる、って思っていました。
それくらい確信していました。
だってそれくらい超ハードなトレーニングでしたから。
全部で7種目、メイン5セット、
その中にデッドリフトやブルガリアンスクワットも入っていて
(スクワットだけは腰があまり良くないので今はやっていないそうです)、
全てのメインセットがインターバル1分で全て限界まで追い込んで。
四頭筋から始めてハムに行くようですがそのハムの一種目目がデッドで、そのデッドもとんでもない重量で1分くらいのインターバルでやっていて。
私の隣でやっていたんですが、もう
フラフラしていた
んですよ(汗)
「ちょっと酸欠です・・・」
って言って。もう目が泳いでいるんですよ・・・
さすがにその時は少し長いインターバルをとっていましたが、、、
ちょっと想像してみてください。
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- 5~10RMくらいの重量で、脚トレを計35セット。
しかもそれを1分インターバルというトレーニングを。 - いやそれを3時間かけてやるならわかるんですよ。
- でも多分1時間半~2時間かからないくらいで終わらせているんじゃないかな。
- 見ているこっちまでキツくなってくるようなトレーニングです。
- しかも毎回・・・
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本当に心が体よりも強いタイプの人です。
それは尊敬に値しますが、
ただ身体をもう少し労わってあげないと・・・
~~
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そんな彼がアドバイスを求めてきました。
・伸び悩んでいる。
・最近重量や回数も下がってきている。
・だからトレーニングも楽しくない。特に脚トレは・・・
・身体も自律神経が完全に乱れている・・・
と。
だから私は私がいつもyoutubeやメルマガやSNSで言っていることと同じことを言いました。
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【yoshiのアドバイス】
・毎回毎回生きるか死ぬかのようなトレーニングはしない方がいい(昔の私がそうだった)。それを数ヶ月でもきついのにもし1年やるとなると非常きにモチベーションが下がるから。
(それをトレーニングを続けている限り今後10年やるのか?)
・それとトレーニングボリュームという概念をしっかりと持ったほうがいい
(彼は知らなかったようです。)
・そのボリュームというのは1週間で考えると良い。
・だから別に脚トレを1週間に2回でも3回でもして良い。
・単純に今やっている脚トレを2回に分ければ肉体的もそして精神的にも楽になるはず。それでいてトレーニングボリュームは増える。
・なぜなら2回目の脚トレの時には数日経っているから(数日間のインターバルがあったと考えれば良い)
・毎回毎回高重量で限界までやらなくていい。1~2レップくらいの余力を残しても大丈夫。筋肉の疲労だけでなく体全体の神経を含めた生理機能の回復という視点を持つ。
・インターバルはもう少ししっかりと取ったほうがいい。そのほうが効率的にボリュームを稼げるし質の高いレップを刻むことができて、そしてそれが質の高いセットになりそれがその日の質の高いトレーニングになる。
・あとはプログラム的な視点を持って計画的に少しずつ重さとボリュームを増やしていくのがおすすめ。これ重要。
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こんな感じのアドバイスをさせてもらいました。
アドバイスを私に求めてくるトレーニーってその時は
「はい!ありがとうございます!ぜひやってみます!」
っていうんですが、大体2~3ヶ月もするとまた自己流に戻っていくんで、私もまあ参考にしてあとは自分で考えてやってね、くらいでアドバイスしたんですが、その後彼に何回か会っていますが、もう私の言った通りの基本ラインでずっとやっているようです。
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「yoshiさん、やばいです。さすがです!もう今は力が漲っているし、以前のように筋力も戻ってきました!」
「僕にはこのやり方が合っているようです。今は週2で脚やっています!」
「少しずつ前回よりも重くして、段階的に強度とボリュームを上げていくようにしていますが身体だけでなくメンタルにもいいようです(笑)」
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と、今久しぶりにトレーニングが楽しい、ってことが伝わってくる言葉をたくさん聞けました。
あ、ちなみにまたスクワットも再開したって言ってました。
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このことからもわかるかと思います。
「やっぱり休むことは重要だよね」
ってことが。
拷問のようなトレーニングが必ずしも筋肥大に最高なわけではない、ということが。
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そして最後3人目です。
某パーソナルトレーナーのYさんのケース。
それは私yoshiであります。
最近のエビデンスが示す通り、そして前述したように今は
トレーニングボリューム
の重要性が極めて高くなっています。
そのことから私もとにかく
前回のトレよりも強度もトレーニングボリュームも上げて・・・
ってやっていました。
今のご時世、素晴らしいトレーニング管理アプリがあります。
それを使えばすぐに前回のトレーニングボリュームがわかるので、それを少しだけでも超える・・・
ってことでやっていました。
しかしながら、これをずっとやり続けている、とわかると思うのですが(というか、そりゃそうだよね、って話なのですが)
ずっとトレーニングボリュームを増やし続けることはできないのです。
いやできないことはないんです。セット数を増やせばいいわけですから。
でも・・・
時間は有限です。
体力も有限です。
気力も有限。
実際いつの間にか前回のトレのボリュームを超えようとすると5セットだったのを6セットにしないと超えるのはキツくなり、
その次やその次になると今度は7セットにしないとどうしても超えられなくなり、
終いには続けると10セットとかになっちゃう・・・
と、どんどん増え続けていくのです。
トレーニング時間も2時間半くらいだったのに気づけば
4時間
なんて時もありました。
そんなトレーニングをしばらく続けていて起きたのが今年の2月に約1年ぶりにやってしまった
腰痛
です。
そこから4月まで計6回ほど“治ったりまたやったりを繰り返しました”。
そしてさらに悪いことは続きます。
腰が良くなったと思ったら前から調子の悪かった
左膝が悪化
しました。
左膝の回復を見つつ脚トレしてたら、左膝も調子が良くなりました。
しかしながらまた調子に乗ってボリュームを上げていたら、
今度は4月に“右”膝
を痛めました・・・
私の場合、体重も増えていたし(実際過去最高の80kg近くまで行ったし)、体重だけでなく見た目の筋量も増えていました(初めて知り合いにステを使った?!って言われました(笑))ので順調って判断していたんですが。。
筋力に関してもビッグ3はあまり大きな変化はなかったのですが腕や肩に関しては種目によっては大幅に伸びていました。
特に腰にハリを感じていたわけではなかったですが、今考えると、肩や肘や手首もよく痛みがあったので、もう
臨界点だった
んでしょうね。
膝も左を庇っていたら今度は右が臨界点に達していた・・・
ただ休養は入れてはいたんですよ
基本ラインとして水土日の3日はトレの休み。
睡眠も平均7時間だし、夜もよく眠れる。
栄養も問題ないし、人間関係や妻との関係も良好(笑)
でも・・・
筋肉や腱、靱帯、そして関節は限界に来ていたんですね。
~~
~~
このように
“自分では気づくことのできない落とし穴”
というのがあるんです。
私のように30年近くトレーニングをしていてもこれです。
今回のことで本当に色々学びました。
クライアントさんからも学ばせていただきました。
ですので、あなたにはここから学んでほしいと思います。
余計な遠回りしなくていいです。
ただ・・・
実際に自分で転んでみないと、
実際に痛い思いをして経験してみないと
本当の意味でわからないかもしれません。
だってどのトレーニーより回復や怪我に気を使っている私ですらこれですから(苦笑)
まあそれもいいじゃないですか。
そうやって何回も転んで自分の脚で歩くことができるようになるんですから。
強く賢くなっていくんですから。
~~
~~
ということで、少しでもあなたに
「やっぱり休むことは重要だよね」
って伝えたくて長々キーボードを叩いてみました。
あ、これはあくまでも冒頭でも言った通り“ガチトレーニー”に向けてです。
あなたが真剣に筋トレをやっていて、マジで筋肉欲しい!って頑張っている、いや頑張り過ぎている場合の話ですから。
もしあなたがそうではなくて“運動不足解消メインのソフトトレーニー”だったり筋肉は欲しいけどあまりキツいトレーニングはしたくないという“健康維持趣味トレーニー”の場合はあまり気にしなくていいですからね。
そもそもそこまで疲労を溜めてしまうようなトレーニングはしていないわけなんですから。
ただもしあなたがガチトレーニーなら、あるいはガチトレーニーの1~2歩手前のトレーニーなら今日のお話はぜひ参考にしてください。
まあ、それでもおそらく休まない人は休まないんだろうなー
って私は思っていますが(笑)
そういう場合はぜひ自分で転んでみてください。
何回も転んでも良いと思います。
実際に私がそうして来たように。
ということで、今回は
「やっぱり休むことは重要だよね」
ってお話でした。
では!
ps
SNSでは発信したんですが、実際私もディトレーニング(ディロード)して今は久しぶりに気持ちの良いトレーニングができています。
あ、気持ちの良いトレーニングというのは「楽なトレーニング」っていうのとは違いますよ。
私の言う気持ちの良いトレーニング、って言うのは“高い集中力”が最後まで続く質の高いトレーニングを行っています。
それができると気分がいいんですよね。
昨日は久々にその“気持ちの良いトレーニング”ができました。
pps
そんな良いトレーニングができている最近のyoshiです。
タンニングもして黒くもなりました(笑)
ppps
SNSやっています。
フォローぜひ!
pppps
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