トレを効率化するならコンパウンド種目は要らない?!

こちらの動画でモーメントアームの解説や可動域のお話をしたら以下の質問をいただき、その回答のやりとりが多くの人とシャアしたい内容だったのでここにブログ記事としてアップしておきます。

多くの人が同じように感じているかもしれないので参考してみてください。

※加筆修正や編集はほとんどしていないので、誤字脱字や細かな補足、言葉足らずのところやソースの表示はないのでそのへんはご理解ください。

コンパウンド種目は本当に必要なのか?!

《もじゃもじゃさんからの質問》
モーメントアームは前から知っておりそれを意識しながら行っているのですが、ずっと疑問に思っていることがあります。

その原理に従うと例えばベンチプレスやダンベルプレスよりもフライ系、アップライトロウよりもサイドレイズを行った方が筋トレを効率化できると思います。

しかし私は筋肥大にはコンパウンド種目が必須だと思っていますがyoshiさんのお考えを聞きたいです。

《yoshi回答》
確かに”効率”で言ったらそのようになるかもしれませんね。でもコンパウンド種目から得ることができるメリットはとても大きいのでやる意味は大いにあります😊

ちょっと語弊のある言い方になるかもしれませんが、コンパウンドは一石二鳥なので(ベンチでいうなら胸だけでなく肩や三頭筋も鍛えられますよ、みたいな)。

アイソレーションはまさにアイソレーションでターゲットとしているパーツだけを隔離して鍛える、という感じで(胸のフライの場合、胸の専用でその代わり三頭筋は諦めてくださいみたいな)ですので、胸を追い込んでしっかりと刺激を入れたい場合は両方をやるのが結果的には一番”効果的”といえますよね。

コンパウンドで上半身をしっかりと連動させて大雑把にダイナミックに鍛えておいて、筋肉や筋力のポテンシャル引き出し、それで刺激しきれなかった細かな部分をアイソレーション種目で補う。

さらに高レップでパンプさせてケミカルな刺激に変えるなど。

ということでどちらにもメリットがあり相互補完になっていますねだから筋肥大を求めるトレーニーで、且つある程度のレベルの身体をしている中上級者の中で、コンパウンドしかやらない、とかアイソレーションしかやらない、というトレーニーいないんでしょう。

そんな感じです。参考に!😊

お返事ありがとうございます。
そこがちょっとよくわからないポイントでコンパウンド種目は一緒に鍛えられるのは確かに時間がないトレーニーにはいいかもしれませんが、

胸なら胸、三頭なら三頭で鍛えられる時間があるトレーニーにはどのような利点があるのかという疑問があるのです。

コンパウンド種目は高重量を扱えるという利点をよく聞きますが、結局それは他の部位に負荷が逃げているから(ダンベルプレスなら三頭筋に)高重量を扱えるのであって、その狙っている部位自体への刺激はそれほどでもないのかなと思うのです。

逆にモーメントアームや可動域、他の部位に負荷が逃げないという点ではアイソレーション種目の方が刺激が大きくなるのではとさえ思っています。

つまりコンパウンド種目はチーティングやパーシャルレップで鍛えてるのと一緒だと思うのです。

もちろん自分はコンパウンド種目を否定しているわけではなく自分自身もコンパウンド種目に重きを置いてやっています。
ただその理屈がよくわからないのです。

なるほど、そのへんが引っかかっているんですね。
まずキーワードとしては以下を念頭に置いておくと良いかと思います。

・協調性や連動制
・インナーマッスル
・出力(自分の持っている筋力の”ポテンシャルを引き出す能力”)
・コンパウンドによるポテンシャルと可能性の増大
・コンパウンドはアイソレーションを含む
・特化して(弱点強化)


なんとなくこれらのキーワードとかポイントとかで私の言いたいことやメリットがわかってもらえるかと思います。
なんていうか、もしアイソレーション種目だけを行っていたら

・協調性や連動制
・インナーマッスル
・出力(自分の持っている筋力の”ポテンシャルを引き出す能力”)
・コンパウンドによる肉体ポテンシャルと可能性の増大


これらの成長が遅くなるんですよね。もちろんアイソレーション種目でかつフリーウェイトならそれなりにな進歩するんですが、コンパウンドに比べたら段違いでしょう。

例えば、カールなんてイメージしやすいんではないでしょうか?

EZバーカールとコンセントレーションカールです。


典型的なアイソレーション種目であるコンセントレーションカールをどんなに頑張ってもほぼ二頭筋だけですよね。仕事をするのは。

でも、EZバーカールはどうでしょう。

しかも高重量で、それこそチーティング使いまくりで。いつも30kgくらいでやっているのを思いっきり膝も腰もつかって身体を振って60kgでやった場合です。

普段からそのような”ある種危険なやり方”でやっている人は別ですが、私なんかときどきやると次の日は二頭だけじゃなくてむしろ上背部(僧帽筋中下部、菱形筋、棘下筋、小円筋、時には三角筋後部や腰まで)筋肉痛になります。

でも普段から上背部だってきっちりと追い込んで鍛えているんですよ。それでもです。

一方コンセントレーションカールカールはどうでしょう。

もちろん、高重量を最大限のチートを使えばいつも得る筋肉痛とは多少は違うと思いますがEZバーカールの高重量チートとは違いますよね。

そもそもその挙上スタイルがコンセントレーションカールの場合は肘を膝の内側につけて固定しているので仕事する筋群の数が違うわけで、ポテンシャルや出力というところは全く違いますよね。

このようにアイソレーション種目だけでは自分では鍛えているつもりでも鍛えることができていない部分というのが多くなるんですね。

だからアイソレーションだけでは”もれ”が多くなります。

コンパウンド種目だけのトレーニングの“もれ”よりも

アイソレーション種目だけのトレーニンによる“もれ”のほうが大きい。

その他最初に挙げた上記のキーワードと言うかポイントです。

だからもしどちらか選ばなきゃいけない、ってなったときは絶対にアイソレーション種目ではなくてコンパウンドなんですよ。

だからもじゃもじゃさんもそれをなんとなく感じているから(言葉では説明できないかもしれないですが)必須だと思っているんではないでしょうか。

以上のことから、やっぱりレジスタンストレーニングにおけるメインとする種目はコンパウンド種目と言われているんではないでしょうかね😉

参考に!

P.S
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>コンパウンド種目は高重量を扱えるという利点をよく聞きますが、結局それは他の部位に負荷が逃げているから(ダンベルプレスなら三頭筋に)高重量を扱えるのであって、その狙っている部位自体への刺激はそれほどでもないのかなと思うのです。
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う〜ん、これはちょっと表現の仕方なのか、もじゃもじゃさんの認識の仕方なのかはわかりませんが、私は違うんじゃないかな、と思っています。

高重量を扱えるのは負荷が胸から逃げているのではなくて、三頭筋の力を借りているからです。

胸10,三頭筋10 = 20の重量を挙げる

一方フライなら

胸10、三頭筋5 = 15の重量を挙げる

だから効率だけを考えるならフライのほうがいいとうことになります。15の力で胸を最大限の10を使わせることができるわけですから。

しかし、体全体をデカくしてバルクアップしていこう!というなら前者のほうが体全体で見たときは効率はいいですよね。

20ゲットできるわけで、これが全身となったらそれこそ大きな違いになります。また冒頭のポイントも含めるとより大きなアドバンテージがあります。


実際、例えば脚のスクワットでは1RMの70%でやれば十分大腿四頭筋の能力を使い切ることができる

=つまり筋肥大に必要な最大限の刺激を得ることができる、という研究結果もありまして、それ以上の強度、例えば1RMの85%とかでやったからといって大腿四頭筋への刺激が強くなるというわけではない、とあります。

85%強度でやると今度は大腿四頭筋以外の筋肉が参加して動作を完遂されているとうことです。

じゃあ意味ないか、っていったらそんなことはなくて、スクワットにはスクワットでしか得ることが難しい刺激が臀部やハムや背部、その他すべてにかかる、とうことで、それを他の種目で得ようと思うと難しいし、効率的でなないんです。

だからやっぱりコンパウンドなんですよね。


ですので、もじゃもじゃさんがおっしゃる“逃げている”という前提による理解はちょっと違うので以下の、その“逃げている”ということが前提の論理は違う、ということになると思います。

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>逆にモーメントアームや可動域、他の部位に負荷が逃げないという点ではアイソレーション種目の方が刺激が大きくなるのではとさえ思っています。
つまりコンパウンド種目はチーティングやパーシャルレップで鍛えてるのと一緒だと思うのです。
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ただし、モーメントアームを正しく理解することにより効率的なトレーニングができるし、刺激が大きくなる、という理解はまったく間違っていません。

またチーティングやパーシャルレップというのは刺激を逃す下手なテクニックの悪い例で紹介されることが多いですが、そうではなくて、これらも一つの立派なテクニックであり、それはどんなテクニックか、って言ったら、最後のひと絞りの余力を使い切るためのテクニック、といえます。

ですので、

・悪い例で使うときは、刺激を逃す
・良い例で使うときは、最後の力を出し切る

で、使う“時と場合”によるんですね。

あと、じゃあ、コンパウンドだけでいいじゃん、ってなりますが、それはボディーメイクで丸くきれいに均等にバランス良く発達した身体を作るなら逆にコンパウンドだけでは不十分です。

なぜなら、選択的にパーツを鍛えることは得意ではないからです。
三頭筋はこれ以上大きくしたくないので胸だけに刺激を、というのが得意ではないからです。

そこで、アイソレーション種目が活躍するわけです。

例えば胸が弱くて三頭がデカい人は、三頭筋は今のままでいいから胸を三頭筋のレベルまでアップしたい、ってとき三頭筋の仕事の少ないフライ系のようなアイソレーションで調整していけばいいわけです。

大腿四頭筋のサイズは十分だけどカットがどうしても出づらい、という人はスクワットをやりつつも量を調整し少なくして、その分をレッグエクステンションに回すとか。

このようにアイソレーションも必要なわけです。

それと、ケミカルな刺激を得るにはよりアイソレートさせて集中して鍛えることのできるアイソレーション種目というのはもってこいです。

ということで、かなりマニアックな話となりましたがこんな感じで。
もう少しうまく説明できるいいのですが、ちょっと時間的にも労力的に制約があるんですみません。

参考にしてもらえたら幸いです😉

凄く得心の行く詳しい説明ありがとうございます。
スッと腑に落ちました。

チーティングの話になってしまうのですが僕は上に書いたような考えからチーティングに意味を感じられずしばらくの間一切やってなかったのですが(ポジティブフェイラーになってからの追い込みの1、2レップは別として)、

時々チーティングを最初から使って超高重量(ストリクトに行ったら1、2レップも出来ない)を扱うことも出力(自分の持っている筋力の”ポテンシャルを引き出す能力”)を上げることとして取り入れることも重要というなんでしょうか?

筋トレ初心者の方は別として身体がかなり大きい方も行っている方も時々見られます(特にEZバーカールやベントオーバーロウ、サイドレイズ等が顕著です)。

yoshiさんが上で書いたようなEZバーカールを普段30キロで扱ってるなら60キロは1レップもストリクトで出来るかどうか怪しいと思います。

高重量で刺激を変えるという理屈はわかるのですが、それならストリクトなフォームで1〜5rmの重量をやればいい話で自分のキャパシティを超えた重量をチーティングを使ってまでやるのはやはり出力(自分の持っている筋力の”ポテンシャルを引き出す能力”)を上げるという意味で有効という解釈で大丈夫でしょうか?

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>時々チーティングを最初から使って超高重量(ストリクトに行ったら1、2レップも出来ない)を扱うことも出力(自分の持っている筋力の”ポテンシャルを引き出す能力”)を上げることとして取り入れることも重要というなんでしょうか?
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その考えは重要だと思いますよ。

とはいえ、これはそのトレーニーによるところは大きいでしょう。
私はそのようなことをやってみるのもいいと思いますよ、というタイプですし、意味はありますよ、というタイプです。

ただ、あまりにも怪我のリスクが大きいのでクライアントさんにはおすすめしないし、最近の私はまったくそのようなことはしなくなりました(若いときはやっていました。毎回ではないですが)。

でも身体が強いタイプだったり(特に腱や関節)、すごい回復力の持ち主だったり、そのようなスタイルのトレーニングがあっているし、効くし、それでデカくなっている人ならそれも全く問題ないと思います。
そしてそれがたとえ主流のトレーニングでも。

たとえば、JBBFの鈴木雅選手(2010年以降、日本ボディビル選手権を9連覇。2016年3月のアーノルド・クラシック・アマチュア男子ボディビル80㎏級優勝の実績を持つ現役のすごいビルダー)のEZバーカールはまさにこの感じだと思います。

私がだいぶ前に彼のカールを見たときは80kgくらいでやっていましたし、何度か映像でも見たときはすごい重量をすごいチートでやっていました。

私や普通の才能の人があのやり方をやり続けるのはできないと思います。でも彼はできるし、やってあの体を作っているんです。

だから正解はないです。私は普通の人が怪我なくできる“再現性”を重視している感じになっていて、どっちが筋肥大に正しいとかはないと思います(ただしどっちのやり方のほうが多くの人が怪我せずにやれて、将来的にも続けていけるか、って言うところが基準ならまた話は違ってくると思います)。

話は若干ずれましたが、ポテンシャルを上げるとか、出力を上げるとか、普段と違った刺激を与えるとか、そういう視点ではとても有効な手段の1つだと思います。

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>yoshiさんが上で書いたようなEZバーカールを普段30キロで扱ってるなら60キロは1レップもストリクトで出来るかどうか怪しいと思います。
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いやできないと思います(^_^;)

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高重量で刺激を変えるという理屈はわかるのですが、それならストリクトなフォームで1〜5rmの重量をやればいい話で自分のキャパシティを超えた重量をチーティングを使ってまでやるのはやはり出力(自分の持っている筋力の”ポテンシャルを引き出す能力”)を上げるという意味で有効という解釈で大丈夫でしょうか?
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そうですね、有効でしょうね。

だって二頭筋の筋出力に関しては先程の回答のスクワットの例でも言いましたとおり、限界にはとっくに70%の1RMくらいで達しているわけですから。

それ以外がメリットになるでしょう。

それは二頭筋以外も使って挙げる能力とか、あとは呼吸の仕方とか、気持ちの持って行き方とか、ですね。

この3つのうちの呼吸と気持ちもめちゃくちゃ大切で呼吸の仕方と言うか、いきみ具合とか、腹圧のかけ方次第で扱う重量は変わりますし、気持ちの持って行き方でも扱う重量やレップ数は変わりますから、これらも技術とか科学とかで証明しづらいものですがとても重要です。

ある意味、中級者と上級者の大きな違いの部分でもあるほど重要なファクターだと私は思っています。

以上参考に👍

P.S
ただし、いろいろSNSを見ていると確かにその人の身体にはまったく合っていない重量を振り回してやっている人がたくさんいて、それがその人のいつもの主流のトレーニングで、じゃあ、その人達が今回私が回答したようなことまで考えて、わかってやっているのか?って言ったらそれはまた違うとは思いますね。

ただ単純に才能あるデカイ人や、あるいはユーザーがすごい重量でやっているから、でかくなるにはやっぱり重量だ、とか、見栄とか、あるいは単純にテクニックは度外視で、とにかく高重量をやることが大好きだ!とか、高重量をやらないとやった気がしないとか、そういう感じの理由で高重量を振り回している人が多いですね。

少なくとも私がこれまでいろいろ話してきた人や見てきた人たちはそんなタイプの人が多かったです

(あくまでもこれはそこまで素晴らしい身体ではないトレーニーに限っての話です。そのスタイルですごい体を作っている人たちは身体で証明しているのでまた違います。その人達がそのレベルまで身体を作ることができた、ということは単純にやっただけではなく、しっかりと考えてやったからでしょうから。)

非常に参考になりました。

初心者ならまだしも、歴の長そうな身体の大きなトレーニーがなぜ超高重量でチーティングを使ってまでやるのか疑問に思っていたのですが解決しました!

ずっとストリクトに拘ってやってきましたが自分より大きいトレーニーが超高重量でやっているのを見て自分もやった方がいいのかも…と迷っていましたが”なぜ”がわからなかったので…。
本当にありがとうございます!

自分は腱も関節も丈夫な方ではないのでやるとしても本当にたまーにしか取り入れない思います笑

いつもタメになる動画ありがとうございます!
応援しています!

あなたが初心者さんだろうが、自宅トレーニーだろうが、中級者さんだろうが関係ありません。
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