【インターバルの科学】筋肥大にはインターバル長さよりもむしろボリュームのほうが影響力が大きい!?

セット間のインターバルはどれくらい取っていますか?

一昔前までは、“筋肥大を求めるならインターバルは短めが良い”なんて言われていましたが昨今研究が進むことによりその定説が崩れてきました。

現在はインターバルは長めが良いと言われています。

なぜならトレーニングボリュームを稼ぐことができるから。

つまりインターバルよりもむしろトレーニングボリュームのほうが筋肥大に影響がある

となっているわけです。

それでは・・・

トレーニングボリュームを等しくした上で、インターバルを短くした場合はどうなるのか?

そのへんについてとてもおもしろい研究結果が出ています。今回の動画でその研究を考察しているのでぜひ最後までご覧ください。

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《目次》

ナチュラルトレーニー必見3部作! 1:11

本編スタート 1:42

現在のインターバルガイドライン 2:27

トレーニングボリュームを揃えた場合はどうなるか?? 3:56

研究の詳細(目的、被験者、介入期間、実施種目) 5:11

4つの分けられたグループ 5:40

結果1 筋力は変わらない?! 7:07

結果2 筋肥大にはインターバルより○○のほうが大切?! 7:34

考察 8:18

まとめ 10:50

知見をどのように生かすか 13:53

MEN’S DIETチャンネルご紹介 16:35

MEN’S DIETコンセプト 17:19

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イントロ

こんにちは、yoshiです。
今日はインターバルについて考察してみたいと思います。

もしあなたがシリアスにトレーニングをしているなら一度はセット間のインターバルの長さについて考えたことはあるでしょう。

多くの人が求める筋肥大、これに関してはこれまでいろいろ言われて来てて、一昔前まではインターバルは短めで1分〜1分半くらいで、なんて言われていました。

でも現在はどちらかと言ったらしっかりとインターバルを取ってやるほうがいい、というようなエビデンスが多くなってきています。

ただトレーニングによる筋肥大というのはあまりにも多くのトレーニング変数や要素関わっているので、実際、僕はそんなに単純ではなく難しいなーと日々思っている、というのが正直なところです(種目の種類や目的にもよりますので)。

ただ今日ご紹介する研究を見ると意外とシンプルに筋肥大をイメージすることができるんじゃないかな、って気がしなくもないです(笑)

とても興味深い結果となっていますのでぜひ最後までご覧ください。

それでは早速ですが行ってみましょう。

インターバルよりトレーニングボリュームが重要?!

まずこちらの研究をご覧ください。タイトルは・・・

強度の高いレジスタンストレーニングにおいて筋肥大に影響を与えるのはインターバルの長さではなくてむしろトレーニングの総ボリュームである

です。こちらは今年出た比較的新しい論文になります。

この研究ではインターバルの長さが筋力の向上や筋肥大にどのような影響があるのか調べられました。

で、このへんをより理解しやすくするために、少し背景として現在の適切なインターバルはどれくらいが良いと言われているか、について冒頭でもお話しましたがもう少し詳しくお話しておきたいと思います。

最近のエビデンスからだと、適切なインターバルのガイドラインとして言われているのは、しっかりと長めに取る(3分以上。もちろん種目や目的による)

です。

なぜならインターバルをしっかりと長めに取ると多くのレップをこなすことができるからです。つまりはトレーニングボリュームを稼ぐことができる、ってことですよね(同重量で同セット数の場合)。

現在は多くの研究がトレーニングボリュームはある程度のところまでは多いほうが良い、ということを支持していますからインターバルを長く取ることは理にかなっています。

こういった理由から現在は、インターバルはある程度しっかりとったほうがよいですよ、短いインターバルしか取らないとトレーニングボリュームを稼げないのでおすすめではありませんよ、みたいなものが背景としてあります。

この辺を抑えた上で今日のトピックを見てもらうと興味深く見てもらえると思います。

で、この研究に話をもどしますと、結論から言ってしまうと、タイトルにもなっている通り、

トレーニングにおいて筋肥大に影響を与えるのはインターバルの長さではなくてむしろトレーニングの総ボリュームである、

ということです。

なんか、少し「えっ?!」って感じがしますよね。

だって、今言ったとおり、現在の主流はしっかりとある程度長めにインターバルを取る、ってことですから。

でもこの研究では、あえて曲解すれば、 は関係ない、とも取れるわけじゃないですか。

重要なのはインターバルではなくてトレーニングボリュームですよ、と言っているわけですからね(意訳)。

じゃあ、トレーニングボリュームを揃えて、インターバルを短くした場合はどうなんだろう、

という疑問が湧いてきますよね。インターバルは関係なくてトレーニングボリュームが大事、って言っているわけですから(わかりやすくるための意訳ですよ)。

例えば

100kg10回3セット、すべてインターバル3分で限界までやってトレーニングボリュームが3000kgのトレーニングと

トレーニングボリュームが3000kgになるまで100kgを限界までインターバル1分でセットを繰り返し、すべてのセットは限界までやるトレーニング(だから3セットとは限らない)

みたいに、“トレーニングボリュームを揃えた場合”、その効果はどうなのか。

同じになるのか、あるいは変わるのか?

一応、背景のお話しをしたとおりインターバルは長いほうが良い、みたいな感じになっているわけですから。

ということで、この研究を詳しく見ていってみましょう。

研究の概要

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・研究の目的
この研究ではインターバルの長さが筋力向上や筋肥大にどのような影響があるのか調べることでした。

・被験者
普段トレーニングしていない28名の健康な男女の被験者(最低6ヶ月間はウェイトトレーニングや有酸素運動をしていない)でした。

・介入期間と実施種目
週に2回10週間片足で行うレッグプレスをして介入の前後で筋力と筋量の変化の違いが調べられました。

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・被験者は4つのグループに分けられました。

※以下すべて1RMの80%の強度(重量)で実施。

LI ロングインターバルグループ。インターバル3分で3セット。回数は限界まで。

SI ショートインターバルグループ。インターバル1分で3セット。回数は限界まで。

VLI-SI ボリュームがLI(ロングインターバルグループ)と同じになるまでショートインターバル(1分)でセットを重ね、回数は限界までやるグループ。

VSI-LI ボリュームがSI(ショートインターバルグループ)と同じになるまでロングインターバル(3分で)セットを重ね、回数は限界までやるグループ

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ちょっと分かりづらいとは思うので、一時停止でもしてこの表をよく見てからこのあとに進んでください。

では、ちゃんとこの4つのグループを理解したということで話を進めていきますね。まずは結果を見てみましょう。

《結果》

・最大筋力(1RM)
まず最大筋力の向上(1RM)に関してですがこの表にある通りで、すべてのグループで向上しました。そして面白いことに、グループ間に有意差はありませんでした。

ちょっと興味深いですよね。この辺に関してはあとの考察で少し語ってみたいと思います。

では次に筋肥大に関してです。


・四頭筋横断面積(CSA)

こちらもすべてのグループで増加しました。中でもとくに

・ロングインターバル群と

・ロングインターバル群とトレーニングボリュームを同じにしたショートインターバル群(VLI-SI)

が他の2つの群に比べて優位に増加していました(この2つに有意差はありませんでした)。

ちなみにこの他の2つの群、つまりショートインターバル群とショートインターバル群のトレーニングボリュームと同じにしたロングインターバル群(VSI-LI)ですが、この2つでは群間差がありませんでした。

それでは考察してみましょう。この研究からは主に2つの大きなポイントが伺えると思います。

《考察》

1.最大筋力に関してはインターバルやボリュームはあまり関係ない?!

2.筋肥大に関してはやっぱりボリュームが大事で、インタバールの長さは関係ない?!

1つずつ見ていってみましょうか。

1.最大筋力に関してはインターバルやボリュームはあまり関係ない?!

まず1つ目の最大筋力に関してですが、今までの一般的に言われているトレーニーの認識としては筋力を上げるならロングインターバルで、且つ高重量で、と言われていました。

しかし今回の研究からだと、高重量ということは合っていますが(1RMの80%の強度(重量)なので比較的高重量)、インターバルの長さに関しては関係なかった、ということになりますよね。

だってロングインターバルのグループとショートインターバルのグループで有意差はなかったわけですから(というかすべてのグループ間で有意差はなかった)。

この研究では2つの要素、


・強度と
・限界までやる、


ということはすべてのグループで同じでした。ただレップ数とセット数とインターバルの長さは違っていました。

それでもすべてのグループ間で有意差がなかったということは”筋力”に関してはインターバルやボリュームはあまり関係なくて、

結局は強度、つまりは扱う重量と限界までやる、ということが重要、

ということが言えるんではないかと思います。

2.筋肥大に関してはやっぱりボリュームが大事で、インタバールの長さは関係ない?!

で、次ですね。みなさんが一番興味のある”筋肥大”に関してですが、こちらは筋力よりも若干複雑です。

なぜなら、すべてのグループで筋断面積が増加しましたが、トレーニングボリュームによって差が出たからです。

トレーニングボリュームの多かった以下の2つのグループ(緑の枠線グループ)は、こちらのこの2つのグループ(枠線の無いグループ)に比べ有意に断面積が増加しました。

ここから重要なポイントが見えてくるとおもいます。それはこの研究のタイトルにもなっている通り、

高強度のレジスタンストレーニングにおいて筋肥大に影響を与えるのはインターバルの長さではなくてむしろトレーニングの総ボリュームである

ということです。

《まとめ》

ということで、今回のこの研究からざっくりと推察できることをまとめてみると

・筋力アップにはボリュームやインターバルよりは結局は扱う重量のほうが重要というここと(すべてのセットで限界までやることが前提)

・筋肥大にはインターバルの長さよりボリュームのほうが重要(同じ強度で限界までトレーニングすることが前提)

となります。

このようにまさにタイトルどおりで

高強度のレジスタンストレーニングにおいて筋肥大に影響を与えるのはインターバルの長さではなくてむしろトレーニングの総ボリュームである、

ということにでした。ただしそれには次の条件があって、というかむしろこの条件の上での結果であるので、この条件があってはじめてこのような結果となるわけですが、それらっていうのが、

  • 同じ強度で(つまり同じ重量で)、且つ
  • 限界までやった場合で、さらに
  • トレーニングボリュームが同じ場合

ですね。この3つの条件だけは間違えずに覚えておいたほうがいいですね。そうしないと、今回のこの知見は生かせないので。

例えばセットを重ねるごとにどんどん重量を減らしてトレーニングボリュームを揃えるようなドロップセットはまた今回の研究とは違ってきちゃうんで。あとは限界までやらないとか。

あくまでも今回の研究結果というのは今回の研究条件のもとでの結果なので。そこは間違えないようにしましょう。

あとは、今回の被験者は冒頭でも言ったとおり、普段から定期的にトレーニングをしているトレーニーではない、ということもありますし(これが熟練者だったらどうだったのか、というのはとても興味深いところです)。 

今回の研究期間も10週間とけっこう短かったので、これがもう少し長い14週間とか16週間だったらどうだったのかな、ということも興味が尽きません。

あとは、筋力に関しては、群間差はなかったということですが、今回のこの研究結果からだと、極論を言うとある程度の強度なら(重量を扱っているなら)たとえ1セットだけでも限界までやればいい、とも言えるわけですよね。だってボリュームやインターバルは関係なかったわけですから。

そこがどうなんだろう、って個人的にはとても興味があります。やっぱり最低限の、うーん、なんていうか、最低限これだけのボリュームはクリアしておかなければならないそのラインっていうのがあるんじゃないかな、とは経験的に思いますね。

たったの1セットだけで複数セットと比べて筋力に関しては変わらない、とはならないような気がします(実際多くの研究が複数セットを支持ています)。

まあこの辺を頭のどこかに入れておいたほうがいいでしょう。

それでは最後に、これらの知見を得て僕たちトレーニーがどのように活用できるのか、を考え終わりにしましょう。

《活用》

パッと思いつく活用法としてはトレーニング時間のコントロールですね。つまりトレーニング時間を短くすることができる、ってことですね。

冒頭でも言ったとおり、ここ最近の傾向としてはトレーニングボリュームが重要ということで、ちょっと長めのインターバルでやる人が多かったと思うんですけど、それだとどうしてもトレーニング時間がながくなってしまいますよね。

でもこの研究の結果から、ロングインターバルと同じボリュームが稼げるならショートインターバルでもいいわけです。

もちろんセット数は多くなっちゃうし、すべて限界までやるわけですから、セット数が多くなった分だけ限界を迎える回数も多くなるので、肉体的にも精神的にもきつくはなっちゃいますけど、

でも強度(重量)を変えずにやればロングインターバルでやったときと同等の筋力アップや筋肥大を得ることができるとされているわけですから、普段なかなかまとまった時間を取れない人や、あまりジムに時間を取れない人にとってはこれは大きなメリットになりますよね。

ということでトレ時間の短縮。

あとはセットの組み方にバリエーション持たせることができますよね。
ロングインターバルでやったりショートインターバルでやったり。

まあ、これによって筋力や筋肥大が変わらないわけだから見た目的な違いを期待することはできないけど、少なくとも”飽き”くらいは回避できますよね。

まあこれくらいですね。

そんなに多くの活用法というかメリットがあるわけじゃないですね。
とは言え、時間の短縮っていうのは忙しくあまり時間の取れないトレーニーにとてもメリットが大きいと思います。

ということでこの知見をうまく生かしてトレーニングしていってもらえたらと思います。

今回はこのへんで。ありがとうございました。

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